「みなし譲渡」について

今回は、「みなし譲渡」について説明いたします。

本来、取引は、双方の合意により成立するものですので、お互いが納得しているのであれば、取引の価格がいくらでも問題ないはずです。しかし、無償あるいは著しく低い価額で資産を譲渡した場合、課税されることがあります。税務署は税金逃れだとみているのですね。

日本には「契約自由の原則」があります。どういうことかというと、契約は当事者の自由な意思に基づいて結ぶことができる。当事者間で結ばれた契約に対しては、国家は干渉せず、その内容を尊重しなければならない。というものです。

「みなし譲渡」とは、無償あるいは著しく低い価額で資産を譲渡したにもかかわらず、時価で譲渡したとみなして課税する税制上の規定のことです。国家が干渉するということです。どうしてでしょう。

みなし譲渡とよく見られるケースは以下の取引です。

〇 個人が法人に資産を無償で譲渡(贈与)した場合

〇 個人が法人に資産を著しく低額で譲渡した場合

〇 遺産を限定承認で相続した場合

例えば、個人Aが個人Cに対して同様の取引をした場合は税金が発生することは基本的にありません。「契約自由の原則」が働くからです。

しかし、社長AとAが経営する会社Bがあり、社長Aが自分の不動産(時価総額10億円、取得価額5億円)を会社Bに無償で譲渡した場合、みなし譲渡と判断され、社長Aに課税されることになります。

みなし譲渡は何のためにあるかというと、脱税目的での売買契約を防止するためです。

個人Aが個人Cに対して同様の取引をした場合は税金が発生することは基本的にありません。と説明しましたが、それが脱税を目的としたものであれば、個人間の売買でもみなし譲渡と判断される可能性があります。取引は適切に行いましょう。