相続土地国庫帰属法 ―所有者不明土地はなくなるか?
今回は、『相続土地国庫帰属法』についてご説明いたします。
この法律は、相続又は遺贈により取得した土地を手放すことを認め、国庫に帰属させることを可能とする仕組みを整備し、所有者不明土地の発生を予防し、土地の管理不全化を防止することを目的とした帰属制度です。
他方で、過度な管理コストが国に転嫁されることやモラルハザードを防止するために、その対象となる土地を相続等により取得した土地のうち一定の要件を充たすものに限定した上で、法務大臣が要件の存在を確認の上で承認することとしています。
現実的には、該当要件が厳しいためほとんど活用できない制度になるのではと思われます。まともに処分できる土地であれば処分して売っています。それができないから「所有者不明土地」が発生するはずです。
下の図にある、『(1)土地の要件』を読んでみてください。「通常の管理又は処分をするに当たり過分の費用又は労力を要する土地は不可」となっています。そもそも、通常の管理又は処分をするに当たり過分の費用又は労力を要しないとちならば、所有者不明土地にはならないとおもいますが・・・
実態に合わせてうまく運用されることを期待します。
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