『哲学入門』
今回のブックレビューは、「哲学入門」です。
ちくま新書のHPでは、
神は死んだ(ニーチェもね)。いまや世界のありようを解明するのは科学である。万物は詰まるところ素粒子のダンスにすぎないのだ。こうした世界観のもとでは、哲学が得意げに語ってきたものたちが、そもそも本当に存在するのかさえ疑わしい。「ことばの意味とは何か」「私たちは自由意志をもつのか」「道徳は可能か」、そして「人生に意味はあるのか」…すべての哲学問題は、根底から問い直される必要がある!科学が明らかにした世界像のただなかで人間とは何かを探究する、最もラディカルにして普遍的な入門書。他に類を見ない傑作です。
と紹介されています。
著者は、戸田山和久という方で、科学哲学という聞いたこともない学問ですが、科学と哲学のシームレス化を目指しているそうです。東大大学院卒で現在は名古屋大学大学院情報学研究科教授ということですから、私にはこの本以外縁のない方のようです。科学的な方なので、唯物主義(精神の実在を否定して物質の根源性を主張する哲学の理論や立場)の考えをお持ちのようです。私も唯物主義の人間なので、死んだら墓もいらないし、葬式も不要と考えています。(まあ、それは残された方の思いに任せますが)
この本、412ページもあるんです。基本、本はお風呂の中でゆったりとした気持ちで読むのですが、まあ、読んでも1回10分程度の読書時間ですからなかなか進まない。それにこの本は、過去の哲学者の考えを伝えるものではなく、哲学の考え方を説明している本なので、理解が進まないこと。例えば、第1章は、「意味」とは何かを哲学ではどのように考えるのかを説明しています。第2章は「機能」、第3章は「情報」を哲学ではどのように考えるのかを説明しています。そのようなことから、哲学の考え方を説明している本です。
欧米では文系理系という区分は存在せず、学問のトップは哲学だそうです。小学校から高校までの間で、論理的に物事を突き詰めて考えるということを日本の教育に取り入れていくことも必要かと思います。
あとがきで、著者は「哲学は本当に役に立つ」といいい、最後に読者にこう問いかけています。
「あなたには哲学を役立てるだけの知恵と力と勇気があるか?」
そもそも私には、哲学の素養がありません。(笑)
『哲学入門』 戸田山 和久(著/文)
発行:筑摩書房
新書判 縦 448ページ
定価 1000円+税
書店発売日2014年3月1日
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