不動産の価格について

不動産は、個人が持つ資産の中で、一般的に最も高額なものであるのは間違いないと思います。世の中に占める資産の割合も一番大きなものだと思います。
そんなものなのに、どうして不動産の価格がこれほど不透明なのでしょうか。
今回は、改めて不動産の価格についてお話ししたいと思います。

例えば、「原油」なら取引市場が存在して、本日の価格は1バーレル30ドルとか明確な価格で取引されます。しかし、不動産の場合、原油のような1バーレル30ドル水準となる価格が存在しません。

どうしてでしょう。

最大の理由は、不動産は一つ一つが全く別のもので、「原油」のように同じものではないからです。

その代わり、土地は指標となる価格があります。それが公示地価です。「公示地価とは、法令に基づき国家機関等により定期的に評価されている公的地価のうち、個別の地点、適正な価格が一般に公表されているもの」で、ざっくり言うと、国がこの地点の土地の価格はいくらだと公に発表した価格です。

では、公示地価が示されている土地は公示価格になるのかと言うと、そんなことはありません。国が言っているだけです。

不動産はいわゆる、相対取引です。そのため、その土地を持っている人の売りたいという希望金額と、その土地を買いたいという人の希望金額が合致して初めて価格が決まります。

不動産は価格水準が分かりづらいので、一般の人にとっては不動産を一体いくらで取引したほうがいいのかわからなくなります。

売主様と買主様との間を取り持つのが不動産仲介業者です。取引対象の土地の法的な制限や有効利用性、近隣の取引事例などから、売主及び買主が納得できる「適正な価格」をご提示して、円滑な取引を目指していきます。