土地の上の空間と地下について

第3回目「土地の上の空間と地下」について

一般に自分が所有する土地の上に建物を建てたり、他人が無断で入ってくることを禁止することができます。

では、自分が所有する土地の上の空間や地下はどうなのでしょうか。   

例1)飛行機が私の土地の上を勝手に通った場合はどうなるのでしょうか?

例2)地下鉄が、私の土地の下を通る場合、地下鉄は勝手に通っていいのでしょうか?

民法は所有権を以下のように規定しています。
第二百六条 所有者は、法令の制限内において、自由にその所有物の使用、収益及び処分をする権利を有する。
第二百七条 土地の所有権は、法令の制限内において、その土地の上下に及ぶ。

すなわち、法令の制限がない場合、土地の所有権は距離の制限なく上下に及ぶとなります。(日本法)なので、法令の制限がない場合、上空10000メートルでも、地下20000メートルでも私のものです。(ブラジルまで突き抜けた場合は知りませんが・・・)

しかしながら、実際には法令の制限が出てきます。

空は航空法、地下は大深度地下法があり、ざっくりいうと上空300メートル、地下40メートルまでがおおよそ所有権が及ぶ範囲となります。

ですから、飛行機が上空を通過しても通行料は発生しませんが、地下20メートルに地下鉄が通っている場合は、土地の所有者は通行料(賃料)をもらっているはずです。

蛇足ながら、国際的に高度100km以上の空間は、宇宙として、各国の主権(所有権)が及ばないとされています(カーマン・ライン)。