創業53年の駅前一等地にあるたばこ屋さん

杉村たばこ店は創業53年になる街のたばこ屋さんで、今は2代目の杉村佳則さんが経営されています。

とは言っても、元々は先代が電気屋として開業されたのが始まりのようで、タバコをメインに取り扱うようになったのは、恐らく40年前くらいからと杉村さんは話されていました。

井尻駅の上り線を降りてすぐの立地なので、ある意味井尻の顔のようなお店かもしれません。

たばこの専門店ということで、コンビニなどで買えるような定番の銘柄はもちろん、珍しい銘柄やたばこの葉の購入、パイプや葉巻などまで取り扱っており、近隣の愛煙家がわざわざ足を運ぶほどの品ぞろえです。

取り扱っている商品がタバコということから、価格的にお得なことはないですが、常連になれば珍しい銘柄でもわざわざ取り寄せてくれたり、タバコ会社のノベルティをくれたりと、ついつい足を運んでしまう魅力があります。

憩いの場を守りたい

店主の佳則さんが2代目としてお店を継がれたのは今から約30年前とのことで、元々は家具の営業マンをされていました。

随分と思い切った転職にも思えますが、当時は今より喫煙者が多く、タバコの需要は比べ物にならないくらい高かったらしく、お店もとても盛り上がっていたようです。

また今のように駅前にコンビニもなかった時代は、出かける時にサッと寄って買えるお店は当時貴重だったはずです。

ただ近年の禁煙ブームの影響は大きいようで、最近の悩みは若者のタバコ離れによるお客さんの減少と、喫煙に対する世間の厳しい目だと佳則さんは話します。

特に駅前の立地に喫煙所を設けていると、通行人の方や住人の方から苦情を言われることも少なくないそうです。

井尻駅周辺には、杉村たばこ店以外にタバコを吸える場所がありません。ここで買って、杉村さんと世間話をして、という時間が喫煙者にとっての心のよりどころになっています。

「常連さんの居場所を守るために仕事をしとるんよ。みんな吸うとこなかったら困るけんね」と佳則さんは明るく言います。

街かどにたばこ屋さんがある風景は、きっとこの先どんどん少なくなっていくのでしょう。もちろん私も「タバコをぜひ吸いましょう」と推奨することは出来ませんが、せめて喫煙者と非喫煙者お互いが気持ちよく生活できるような社会になればいいなと願うばかりです。

店舗詳細

  • 所在地
    福岡県福岡市南区井尻4丁目1-1
  • 電車でお越しの場合
    西鉄井尻駅下車すぐ 杉村ビル1階
  • 営業時間
    月-土 7:00-18:00(日曜日定休)