『人生の大問題と正しく向き合うための認知心理学』

今回のブックレビューは、「人生の大問題と正しく向き合うための認知心理学」です。
副題として、「慶應大学SFC最終講義」と書かれています。

私は慶応大学に縁もゆかりもないので慶應大学SFCと言われてもわかりません。慶應義塾大学SFC(湘南藤沢キャンパス)は、神奈川県藤沢市にある、総合政策学部・環境情報学部・看護医療学部(および大学院)を擁する文理融合の未来型キャンパスとあります。新しくできたのがあったなあと思いだしたのですが、既に35年が経っていました。

さて、本題。

この本は、副題にもある通り、著者の今井むつみさんの慶応大学SFCでの最終講義を書籍化したものです。今井さんはこの講義を最後に定年退職されているようです。
では、今井さんはこの講義で何を言いたかったのか。今井さんの専門は認知心理学です。

「人の見方には常に偏りがある。その偏りは人によって異なる。わかっていても間違え、偏った視野を持ち、誤解するもの。」であると言いています。

今はやりのAIについても{AIがおこなっているのは確率情報の計算であり、「意味」を考えているわけではありません。}といい、認知科学者のスティーブン・ハルナッドの言葉を引用し、{生成AIの文章は「意味を理解していない記号」を「意味を理解していない別の記号」に置き換えているだけ。}と言っています。何故AIが「意味を理解していない記号」であるかは、「記号接地」していないからだと言います。記号接地とは、意味が身体感覚や経験と結びつき理解されることです。

人は、AIと異なり記号接地が行われて理解します。しかし、人は理解の仕方が人によって異なると認知心理学は教えてくれます。 同じものを見て、ひとりはいとおしく思い、ひとりは憎しみを感じる。世界から戦争が消えることはないのでしょう。

「人生の大問題と正しく向き合うための認知心理学」
日経プレミアシリーズ
今井むつみ(著)
発行:日経BP 日本経済新聞出版
新書判 216ページ
定価 900 円+税
書店発売日 2025年5月27日

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