『この国のかたちを見つめ直す』

今回のブックレビューは、「この国のかたちを見つめ直す」です。
著者は、東京大学文学部教授の「加藤陽子」さんです。
加藤陽子さんは一般の方には 『それでも、日本人は「戦争」を選んだ』で知られています。この本で小林秀雄賞を受賞しています。

私も『それでも、日本人は「戦争」を選んだ』で加藤さんを初めて知りました。『それでも、日本人は「戦争」を選んだ』は、明治以降の日本が四つの対外戦争に至った経緯を、当時の指導者、軍人、官僚、一般市民がそれぞれ「やむなし」と判断した論理を分析し、読み解く日本近現代史の入門書です。高校生を対象とした5日間の集中講義を通して、過去の戦争を現在に引きつけ、その論理を直視することで、戦争が形を変えて繰り返される現状を考えるきっかけを与える内容です。

今回の「この国のかたちを見つめ直す」は、2011年から約10年ほどの間に書かれたエッセイです。エッセイと言えば優しそうな感じがしますが、相当に硬質なエッセイです。そういえば、髙村薫さんもかなり硬質なエッセイを書きます。この頃の風潮として、男女差を述べると偏見と言われそうですが、この頃は女性の方が硬質で骨太な意見を述べる方が多いような気がします。

加藤陽子さんは、当時の菅総理大臣から「学術会議」のメンバーから外された6人の一人です。この本にはそのことも書かれています。菅元総理が加藤さんをメンバーから外したということは、菅元総理にとって加藤さんはとても目障りな方だったのでしょう。それは、この本を読んでなんとなくわかる気がします。政府にとって耳の痛い話がいっぱい書かれていますから。

第一章の表題は「国家に問う 今こそ歴史を見直すべき」です。真正面から、正論という切れ味鋭い日本刀で切りつけてきます。その分、考えさせられることもたくさんあります。

加藤さんの専門が「日本近現代史」ですから、「第2次大戦」と「天皇」はメインのテーマです。日本人がタブー視しているテーマでもあります。日本人にとっては心地よくないテーマ、出来れば話題にしたくないテーマですけど、日本人にとって避けて通ることのできない重要なテーマだと思います。このようなテーマを真正面から取り上げるので菅元総理から嫌われたのかと思いますが、このようなテーマを歴史という観点から考えていくことは、日本人にとって大切なことだと思います。

『この国のかたちを見つめ直す』
毎日文庫 著者 加藤 陽子
発売日:2025年1月14日 文庫サイズ 頁数:352頁
定価:1100円(税込)
電子書籍版定価:1100円(税込)

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