佐賀関火災
11月18日に佐賀関で大規模な火災が発生しました。
大分は私の第二の故郷ですから心配になります。今回火災があった佐賀関は、大分駅から車で東に1時間、40㎞くらいの距離があります。大分のブランド「関サバ・関アジ」が水揚げされる漁港で有名な小さな漁村です。
今回、ニュースで、火災の場所は道が狭くて消防車が入らない所が多く、消火活動の妨げの一因になったということを聞きました。
そこで、佐賀関の都市計画状況を確認してみました。
そうすると、佐賀関は市街化調整区域に指定されていました。
市街化調整区域は、都市的な土地利用の拡大を抑制し、自然環境や農地の保全、農林水産業との共存が重視される区域です。市街化調整区域では、原則として新たな開発が制限されています。都市計画法第34条に定められた一定の例外要件に該当する場合に限り、開発が認められるケースがありますが、原則新たな開発行為(家の建て替えや新築など)は禁止されています。
開発してはいけない場所ですから、空き家が増えるのは当然のことです。また、現行の建築基準法だと、家の建て替えの際に道路は広くなるようになっていますが、市街化調整区域は開発してはいけないので道路が広くなることもありません。
現状のルールでは、田舎の街並みは昔の儘で、安全なまちは作られません。
大分県と愛媛県は、大分県佐賀関半島と愛媛県佐田岬半島間の豊予海峡を海底トンネルや架橋で結ぼうとする豊予海峡ルートを考えています。費用は架橋で1兆3000億円程度、トンネルで7000億円程度だそうです。大分県のホームページでは、「西瀬戸地域全体の発展を支えるとともに、豊かな国土づくりに大きく貢献する21世紀のビッグプロジェクト。」だと紹介されています。
本プロジェクトがいいか悪いかはしっかりと議論していただければいいかと思いますが、地域の安全が保てない現行のルールを見直すことも大切だと思います。 市街化調整区域など、市街化区域以外の区域は現行ルールでは道路が広くなる見込みがありません。今回の火災で問題となった「狭い道路」は解決しませんから、第二、第三の佐賀関の火災が起こっても不思議ではありません。安全な街づくりのために基本となるルールをもう一度見直すことも必要だと思います。
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