賃貸仲介手数料を考える。

不動産の取引に関する手数料は、宅地建物取引業法の第46条第1項で定められています。
ざっくり言うと、売買に係る手数料は、売主、買主の双方から売買金額の3%+6万円ですから、売主側の不動産業者は売主から、買主側の不動産業者は買主から売買金額の3%+6万円を頂きます。前回書いたように、売買に係る不動産業者が一人の場合、双方からそれぞれ売買金額の3%+6万円を頂きますので6%+12万円となります。
双方代理の問題は別にして、これは手数料としてはわかりやすいものです。
一方、賃貸に関する手数料は、貸主と借主からの合計額が家賃の1か月分+消費税となっています。貸主と借主がそれぞれどれだけ支払うかについて定めていません。手数料の上限だけ決めるので、後は話し合いで決めてくださいということになります。その代わり、入居の募集に費やした広告費については、不動産業者は実費を請求することができることになっています。
このことから、一般的によく行われている取り扱いは、借主側の不動産業者は借主から仲介手数料として賃料の1か月分+8%頂戴し、貸主側の不動産業者は貸主から、広告料として賃料の1か月分+8%を頂戴するという方法です。

業界的には妥当な方法だと思います。貸主側の不動産業者は確かに広告を行い、募集をかけています。借主側の不動産業者は借主を、見込みのある複数の物件に案内しています。それぞれの顧客のために仕事をしています。
気になるのは、法律に定められたことと慣例的な取り扱い(決して違法ではありません。)が一般消費者の目にどのように映るかということです。
個人的には、賃貸仲介手数料は、貸主と借主からそれぞれ上限1か月分頂けるものとし、広告費を廃止したほうが良いと考えています。
貸主が自己で借主を見つけてきた場合においても、不動産業者は貸主側の不動産業者1者しか介在しませんから、不動産業者は貸主からは手数料を頂かず、借主から手数料を頂くことになりますので、実質的な問題はなくなるはずです。
広告費の弊害として、広告費は、なかなか入居が決まらない物件の客付け業者に対するインセンティブに用いられることが多々あります。具体的には、貸主側の不動産業者が、なかなか決まらない物件に対して、客付け業者に早く決めてもらうための客付け業者に対するインセンティブとして、貸主に負担していただくものです。決めてくれたら、客付け業者に貸主側からもお金を出しますよ、というものですね。
ただ、これって、客付け業者が頑張って客付けしたからもらうものではなく、賃料に反映すべき性格のものだと考えます。なかなか決まらない物件は、その賃料が市場価格と乖離しているということでしょうから、広告料として支払われる額は賃料に反映されるべきものですよね。オーナーにとっても、インセンティブを払って入居してもらうのではなくて、オーナーが物件の適正な価格を理解し、どうしたら物件が市場での競争価値を高めることができるかを検討するようになれば、これから厳しくなるだろうアパート経営で勝ち抜く一つの契機になると思うんですが。そうでなければ、オーナーはいつまでもインセンティブとして広告費を支払い続けなければならなくなります。

本来こうしたアドバイスを行うことは不動産業者の仕事なのでしょうけど、インセンティブをもらったほうが儲かるし楽ですよね。(笑)

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