自力救済

日本では、自力救済が禁止されています。

AIで自力救済を調べると、「自力救済とは、司法手続きを経ずに実力で自己の権利を実現しようとする行為であり、原則として禁止されている。これは、個人が勝手に実力行使を始めると、社会秩序が乱れ、力ある者が一方的に権利を主張することにつながるためである」とあります。自力救済が禁止される主な理由は、法治国家において権利は必ず法の手続きに従って回復されるべきであるという考えに基づいています。

 確かにその通りだと思います。自力救済を許容すると実力が物を言う社会になってしまいます。また、被害者や権利者の思い込みや誤解によって本来加害者でない者が責められることも考えられます。そのために、法があり、法の下で適切に判断していくことが望ましい社会です。

 では、その法が適切に機能しない場合はどうすればいいのでしょうか?

現在、この問題に関係する裁判が行われています。ご承知のとおり、安部元総理の銃撃事件です。襲撃の是非ついてはここでは申し上げません。ここで話したいのは、「法が対応しない問題について、自力救済を禁止された場合、被害者はどのようにして自己を守ることが出来るか。」ということです。旧統一教会に対して被害を被っている家族の方は警察や弁護士に相談していたはずです。しかし、まったく解決できなかったのがこれまでの現状です。法治国家と言いながら、法(及び社会)が機能していませんでした。統一教会の問題に限らず、このような状況に自分が置かれた場合、私たちはどのようにして自己(及び家族)を守ることが出来るのでしょうか?

日本は法治国家であるはずです。しかし、今回のように法に訴えても解決できない世界が存在します。私が同じ立場に置かれた時、私は自力救済の手段を使うのではないかと思います。そうしなければ、永遠に救われない状況に置かれ、絶望してしまうからです。

 山上氏が事件を起こしたことを契機に、今まで動かなかったことが動くようになりました。自民党と教会との関係が問題視されました。今まで対応していなかった行政から、本問題の救済の動きが出てきました。これは良いことである反面、とても悲しいことでもあります。安部元総理の命と、山上氏の人生を犠牲にしないと、見直しの契機にならないのです。被害者が安部元総理でなかったら、単なる殺人事件で終わったかもしれないところに、日本の法治国家としての弱さがあるように思えます。

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