Moon Beams
不思議な角度で撮られたクリスタ・パフゲンの顔をジャケットにしているビル・エバンスのMoon Beams。
1962年録音
ピアノ:ビル エバンス
ベース:チャック イスラエル
ドラム:ポール モチアン
全編、上質なバラードで構成されているこのアルバムで最も有名な曲は、2曲目のpolka dots and moon beamsでしょうか。
個人的にはこれまであまり聞かなかったアルバムです。
何故か。
人それぞれ、いろいろな評価はあると思いますが、冒頭で書いたジャケットが僕にはどうしても胡散臭く感じて、棚からアルバムを選ぶときにどうしてもこのアルバムには手が伸びなかったからです。
アルバムの内容とは関係なく、ジャケットの影響は大きいと思います。
このアルバムのジャケットは、僕個人の印象として正当なビル・エバンスのジャケットではなく、ちょっとバッタモン臭いアルバムジャケットに入ります。僕にとってはB級ジャケットなのです。
こんな言い方は失礼なのですが、クリスタ・パフゲンさんはこのアルバムジャケットでしか見たことがなく、どのような方かも知らないけど、年増のおばさんが色気出して写真に写っているようにしか見えないのです。写真の加工も影響していると思います。目元に皴がありそうな写真で、なぜこのような角度で、このような表情で、このような写真加工をしたのか私には解せません。
このアルバムの録音が、ジャズアルバム史上の傑作に数えられる「UNDERCURRENT」の三日後の演奏だということを知ってなおさらです。
私のジャケット評価はB級ですが、演奏はエバンスのスローバラードアルバムとしてゆるぎない評価を得ていますし、秋の夜長に一人静かに聞くにはうってつけの一枚です。
私も、ジャケットに対する先入観をなくして、秋の夜、心穏やかに聞きたいものです。