長崎のお盆

皆さんは 長崎のお盆にどのようなイメージをお持ちでしょうか?

8月15日に行われる精霊流しが長崎のお盆の風物詩として有名ですね。大きな精霊船を爆竹を鳴らしながら引き回すお祭りがみなさんのイメージでしょうか。

私の生まれた町は、14日と15日の2日(初盆は13日から3日間)日も落ちだした夕方6時くらいから墓にいきます。それぞれの墓の前に提灯をともして、提灯のろうそくが消える1時間くらいお墓にいます。

その間、子供たちは花火をします。長崎では「やびや」と言われるロケット花火があちらこちらのお墓から「ヒューン」というけたたましい音とともに上がっていきます。「やびや」をあげることができない小さな子供たちは、手持ち花火を楽しみます。私の田舎では、お盆は夏休み期間のお祭りでした。

海と反対側の砂防の結構急な勾配の法面に、5百くらいの各家のお墓が階段状に連なっています。日が落ちると提灯の明かりで一面が煌々とします。線香に火をつけ親戚や知人のお墓を回り、ひとしきりお参りをして、後は提灯のろうそくが消えるのを待ちます。

私の故郷でも精霊船を作ります。以前は初盆を迎えた家ごとに精霊船を作っていましたが、今は地域ごとに作っているということです。

私が住んでいたころまでは精霊船の中に果物を載せて、西方の極楽浄土を目指して海に流していましたが、現在は環境問題で海に流さず、明かりをともした後はそっと廃棄するそうです。

墓にともされる提灯の数も年々少なくなっていく故郷に一抹の寂しさを感じながら、故郷を離れた私が何を言うか、と思うお盆でした。

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