自分の学生時代を思う

所用があって、福岡にある私立大学に行ってきた。
規模の大きな大学で、敷地も広い。敷地も広いが校舎の数が30棟ほどもあり、校舎の数にびっくりする。トイレもホテルと見まがう程の美しさ。自分が卒業した大学のトイレは暗かった。蛍光灯がちらちらして、床もコンクリート打ちっぱなしで、いつも濡れていたような気がする。はたして、洋式はあっただろうか。記憶も定かではない。それに比べて今回訪れた大学はなんときれいなことかと感嘆する。
そもそも、40年前の大学と今の大学を比べること自体が間違いか。
学校を訪れるのは好きだ。広い空間に穏やかな時間が流れているような気がして、心が落ち着く。
授業が好きだったわけではない。大学で、気の合う友と過ごしたあの緩やかな時の記憶が、心を落ち着かせるのかと思う。
大学を訪問した流れで大学生の娘から「お父さんは何学部なの?」と聞かれた。
「経済学部だよ。」と答えたら、続けざまに「何を勉強したの?」と聞かれた。
さて、何を勉強したのやら。
それでも、大学へ入るまでの受験戦争、社会に出てからの出世戦争、ずっと戦争の中で生きてきた人生で、経済学部生が過ごす大学の4年間は、モラトリアムであってもいいのかとは思う。
私たちは受験戦争、出世戦争のように戦争に例えられるものに身を投じて人生の大半を過ごしてきた。良いか悪いかではなく、そんな社会だった。これからの人たちには、競争だけではなく、楽しめる人生を送ってもらいたい。
キャンパスの芝生の上に寝転んで、青い空の下で少しの間、眠ってもいいのかな。但し、単位をきちんと取って4年間で卒業はしないとね。