個人情報保護法について考える

今回は 個人情報保護法について考えてみたいと思います。

個人情報保護法が施行されてから20年が経過しました。施行以降、個人の個人情報に対する意識も大きく変化したことをいろいろなところで感じています。

しかし、個人情報保護法の趣旨は大きく2つあります。一つはその名前の通り、個人情報の保護を目的としています。もう一つは、個人情報の適正かつ効果的な活用が新たな産業の創出並びに活力ある経済社会及び豊かな国民生活の実現を図ることです。下記法律第1条は本法律の目的を定めたものですが、下線部に示した通り第1条に明記されています。

第一条 この法律は、デジタル社会の進展に伴い個人情報の利用が著しく拡大していることに鑑み、個人情報の適正な取扱いに関し、基本理念及び政府による基本方針の作成その他の個人情報の保護に関する施策の基本となる事項を定め、国及び地方公共団体の責務等を明らかにし、個人情報を取り扱う事業者及び行政機関等についてこれらの特性に応じて遵守すべき義務等を定めるとともに、個人情報保護委員会を設置することにより、行政機関等の事務及び事業の適正かつ円滑な運営を図り、並びに個人情報の適正かつ効果的な活用が新たな産業の創出並びに活力ある経済社会及び豊かな国民生活の実現に資するものであることその他の個人情報の有用性に配慮しつつ、個人の権利利益を保護することを目的とする。

本法律が施行されて以降、個人情報の保護ばかりが強調されてしまい、例えば、町内会は町内の住民の情報が全く分からない状況で町内会活動を行わなければいけません。学校でもかなりの弊害が出ているようです。個人の情報を保護していくことは大切です。当たり前のことです。しかし、個人情報の保護という点に過剰に反応することは、社会の円滑な活動を阻害します。

本法律の正式な名称は「個人情報の保護に関する法律」ですが、私はこの名称が良くないと思っています。本法律の目的に照らすと「個人情報の適切な活用と保護に関する法律」とすべきだったと思います。保護という面ばかりがクローズアップされていますが、本法律の立法趣旨を国民全体が理解する必要があると思います。

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