『監督が怒ってはいけない大会がやってきた』
ブックレビューで取り上げようと思っていた本ですけど、今回は「独り言」でお話ししようかと思います。
バレーボールの日本代表で、ヴィジュアルも美しいことから現役を引退した後も人気の高い益子直美と北川夫婦が立ち上げた大会について書かれた「監督が怒ってはいけない大会がやってきた」という本です。
この本を読もうと思った理由は、「どうしたら怒らないで会社を運営していけるか。」というのが私の悩みだったからです。会社を運営していくこととスポーツチームを育てていくことはかなり似ています。大きく違うところは、スポーツチームは、弱くてもチームがなくなることには直接は繋がりません。一方会社は競争に負ければ潰れてしまいます。その中で、社長があるいは上司が怒らないで会社を成長させていくことができるかということです。
私は、怒られ、叩かれて働いてきた世代です。私がサラリーマンでいた時代の日本企業の多くが怒ったり、叩いたりすることでしか業績を上げる方法を知らなかったのです。これはサラリーマンとして働いてきたときから不思議でした。立派な会社なのに営業成績を上げるためにどのような活動をするべきかのノウハウは個人任せなのです。3年目で営業を担当した私への指示は、「君のエリアはここだ。回ってきて、営業成績をあげろ」だけでした。時々受ける本部研修も単なるガス抜きでした。成績が上がらなければ怒られるだけです。
そうではなく、怒られる側の問題を怒ることではなく、改善点を明確に示し、指導することで改善していく方向に持っていけないかと考えています。そこには怒りは必要ないはずです。怒ることを0にするということではありません。怒ることが最善の方法である場合もあります。怒ることを否定しているのではなく、怒ることでしか対応してこなかったことを、別の方法で改善できないかということです。営業に限らず、会社の中で怒りを感じることは多々あります。提出書類がうまく書けていない。在庫管理がうまくできていない。しかし、そのような問題も、怒りが解決になるわけではありません。
会社にとって正しいことは、今ある問題を解決してよい方向に進めることです。そのためにはこれまで怒る側であったたとえば私のスキルの向上が必要になります。忍耐も必要になります。けれど、これがうまく回りだせば、今まで自分が嫌だと感じていたことを改善できるはずです。せっかく会社を作ったのですから、働く人全員が笑顔でいられる会社にしたいと思います。