「ネット未掲載のお買い得不動産」は幻想である

不動産仲介業をしているので、当然、お客様から不動産情報を求められる。
その際に、エンドユーザーのお客様から、
「ネット未掲載物件とかありませんか?」
と聞かれることがある。
どこから聞いたのか、ネットに出ない(広告されない)不動産のお買い得物件があると思っている節がある。

不動産の媒介には専属専任・専任・一般の3種類の媒介契約の形式がある。

専属専任・専任は、売主と1社のみが販売に関する媒介の契約を締結することになる。その代わりに、その情報を必ずレインズに登録することが義務付けられている。レインズ(指定流通機構)とは、数多くの不動産業者が加盟してできた不動産情報ネットワークを運営する公益法人で、不動産業者は誰でもその不動産情報を見ることができるシステムのことである。
なので、専属専任・専任の場合、ネット掲載は義務付けられている。

一般契約の場合、このレインズに登録することが義務付けられているわけではない。しかし、一般契約は売主が複数の不動産業者と媒介契約を結ぶことができる契約なので、一社独占という形はとらない。そのため契約した業者は業者は、必然的にネットを活用してより広く公告をすることになる。

このように今の宅建業において適切な宅建業活動を行うことを前提にした場合、「ネット未掲載のお買い得物件」というものは考えにくいものである。

ではなぜ、「ネット未掲載のお買い得物件」のようなものが巷で流布しているかを考えると、昔は適切な宅建業活動を行わない業者がいたからである。(一応過去形で書いているが、現在もいないわけではない。)

不動産業者は、売主と買主の双方から手数料をいただければ、1つの取引で2倍の売上が上がることになる。不動産業者にとってこれほどうれしいことはない。
不動産売買取引は1営業マンが年間に100件とか200件とかできるものではない。都市部と地方では異なるが、月1件の取引ができる営業マンは及第点がもらえる(会社から与えられた目標はその2倍3倍だと思うが)。
だから、1取引で2倍の手数料をもらいたいために、情報を外に出さず、自分だけで買いの顧客を見つけようとする行為(囲い込み)が横行していた。
このような行為を是正するために、レインズができて情報の義務化されてきた。

不動産の媒介契約をもらった不動産仲介業者は媒介契約から1週間以内にレインズに情報を登録しなければならないが、1週間以内なら、ネット未掲載物件となる。
そのような物件を探そうとすると、それこそ、そのエリアの不動産業者を訪問して、情報が出たらすぐに情報をもらえるようにお願いしておかなければならない。ただ、不動産業者は1週間後にはネットで情報を公開するのだから、不動産購入の媒介契約もないエンドユーザーに対して個別に情報を発信することはなかなかない。
それに、レインズ登録前の物件は、単に登録前というだけで、お買い得物件である保証はどこにもない。

最も大切なことは、「ネット未掲載のお買い得物件」が仮にあるとすれば、その物件は売主にとっては「損」になることだ。売主と媒介契約を行っているのに、売主に損をさせる価格設定をしているということなのだ。

お客様に「損」をさせるような業者と、あなたは付き合いますか?

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